独白雑記

独白雑記
過ぎゆく熱と透明な何か

この熱も、やがては冷めてしまうだろう。短すぎる夢だったと、笑ってしまえる日が来ればいい。グラスに残った氷のような、透明な痛みだけが、夏の名残として残っている。 窓を開けても、もうあの焦がれるような熱風は吹き込んでこない。 […]

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独白雑記
無音の盛夏

遠くから花火の音だけが届く。 歓声は遥か彼方、届かない。 それでも十分だ。静かに終わりを迎える、いつもの夏。 ベランダに佇む。湿気を帯びた夜風が、額に張り付く髪をそっと撫でていく。空の向こう、見えない場所で、色とりどりの […]

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独白雑記
蝉の独り言

蝉の声が、言葉にならない感情の代わりに空に響き渡る。 風鈴の音に、書きかけの詩が揺れては消えた。 今年もまた、独り静かな夜を数えている。 宵闇に溶けゆく空の色は、まだ微かに藍を帯び、昼間の喧騒の残滓がアスファルトの熱気と […]

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独白雑記
アスファルトの記憶

アスファルトから立ち上る匂い。 夜の帳が下りても、この街は熱を帯びている。 夏の暑さは、過去の記憶を鮮やかに焼き付けるようで、嫌いになれない。 窓は開きっぱなし。それでも室内に澱む熱気は、深海の底のようだ。微睡みの縁で、 […]

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